このようなタイトルで、我田引水のように思われるかもしれない。しかし、活躍している中小企業診断士に共通する資質について書きたいと思う。
さて、中小企業診断士は経済産業大臣が登録する国家資格であるが、税理士や社会保険労務士のような「独占業務」を持たない。その分、働き方は千差万別であり、得意分野も様々だ。
また、「中小企業」という名称から、支援対象は中小企業限定であると捉えられがちだが、その知見は大企業においても十分に通用するものだ。現に私のクライアントも、小規模零細企業から大企業まで幅広いが、企業規模を問わず貢献できていると自負している。
しかし、診断士側が「何でもできます」と標榜すれば、かえって「何もできない」ように映ってしまうのも、この業界ではよくある話だ。
それでは、経営者が診断士を選ぶ際、どこを見るべきか。
依頼者目線に立った「3つの判断基準」を提示したい。
1. 経営者の話をよく「聴き」、想いを受け止めてくれるか
士業と呼ばれる専門家は、往々にして結論を急ぎすぎる傾向がある。
経営者は早く結論を知りたい立場にあり、経営判断には迅速さやタイムリーさが求められる場面が多いからだ。もちろん迅速さは大切である。
しかし、さらに重要なのは、経営者が直面している問題の背景や、そこに至った想い、そしてどのような方向性に向かいたいのかという本質的な要素を丁寧に引き出す力である。
「聴く」とは、耳と目と心で、経営者の本音や価値観を受け止めているかということだ。
ここに一つの例話を伝えたい。
喉が渇いた人が目の前にいたとして、コップ一杯の水を提供するのは容易い。だが、真に価値があるのは、将来にわたって水不足に陥らないよう「井戸の掘り方」まで共に考え、伝えられる存在だ。
経営者の心に寄り添い、本質的な課題を共に見つけ出せるかどうかが、最初の分かれ目となる。
2. プロとしての「覚悟」があるか
中小企業診断士、あるいは経営コンサルタントを「生業」として生きるプロの覚悟は、外形と内面の双方から測ることができる。
【外形判断】インフラへの投資
本気でビジネスを展開している診断士は、信頼の基盤を整えている。
例えば、メールアドレスが無料のフリーアドレス(GmailやOutlook等)ではなく「独自ドメイン」であるか。自身の分身ともいえるホームページを所有しているか。また、自宅ではない事務所を構えているか。
これらは、事業を継続していく意思表示であり、プロとしての最低限の身だしなみと言える。
【内面判断】「志」の有無
なぜ中小企業診断士となり、どのように企業を支援したいのか。
名刺やホームページに自らの「志」が言語化されているか。
この内面的な軸こそが、困難な状況でも経営者を支え抜く覚悟の証となる。
3. 得意分野が明確か
自らの強みをホームページや名刺で明確に示している診断士は、貴社の問題解決に直結する可能性が高い。
ここで注目すべきはプロフィールだ。単なる履歴書のような職歴の羅列ではなく、どのような経験を経て、今何を提供できるのかという「ストーリー」が語られているかどうかである。
プロフィールが単なる事務的な記載に留まっている診断士は、残念ながら「自分が顧客に届ける価値」を深く考え抜いていないことが多い。
さいごに
経営者は常に孤独であり、一瞬の判断が会社の運命を左右する重圧の中にいる。だからこそ、私は経営者の皆様に「メンター」を持つことをお勧めしたい。
それは、社内幹部でも、顧問税理士でも、メインバンクの担当者でもない。社長を中心に物事を一緒に考えてくれるパートナーだ。
既にそのような存在がいる経営者であれば幸いである。
もし、まだ傍にいないのであれば、上記の3つの観点から、あなたにとって最良の「メンター」となり得る中小企業診断士を選び抜いていただきたい。
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