魅せて奮わせてくれた原口選手への感謝と診断士としての想い

「ここに立つために 鍛え抜いた日々よ 原口のすべて 魅せろ 奮わせろ」
これは阪神タイガースの原口文仁選手の応援歌の歌詞だ。
プロ野球選手応援歌の中で、ここまで選手のストーリーと重なり合ったものは稀有である。
努力、忍耐、勝負強さ――その全てがこの歌詞に象徴されている。
その原口文仁選手が、今シーズン限りでの引退を表明した。
そして、2025年レギュラーシーズンの最終戦、10月2日のヤクルト戦が引退試合となった。
リーグ優勝が決まっているチームにとっては消化試合とも言える最終戦だが、個人記録更新やタイトルを狙う選手も複数いて、さらには原口選手の引退試合となったことから、甲子園球場は熱い雰囲気に包まれていた。

原口選手の軌跡が奇跡をもたらした

原口選手は2009年、ドラフト6巡目で阪神タイガースに入団した。決して華々しいスタートではなく、度重なるケガにより2012年シーズン終了後には育成契約を余儀なくされた。だが彼はそこで諦めることなく、地道な努力を重ね、2016年には支配下契約を勝ち取り、5月には月間MVPに選出され、さらにはオールスターにも出場する飛躍を遂げた。
その後は捕手として、また代打として勝負どころで結果を残し続けた。
しかし2019年1月、彼を大きな試練が襲った。大腸がん、しかもステージ3bという過酷な現実である。
普通なら現役どころか日常生活すら危ぶまれる状況であった。
それでも原口選手は手術、抗がん剤治療、そしてリハビリを経て、同年5月には二軍の試合に復帰。そして6月には一軍に戻り、初打席でタイムリー二塁打を放つ劇的な復活を果たした。さらに5日後には甲子園で代打サヨナラ安打を放ち、ファンの涙を誘った。その年のオールスターゲームではプラスワン投票で選出され、2試合連続本塁打を記録するなど、まさに原口選手の軌跡は奇跡となったのだ。

病を経験した「同志」として受け取った力

原口選手の姿に、私は何度も心を揺さぶられた。歓喜と感動、困難に立ち向かう勇気を受け取ったファンの一人である。
2020年2月、私自身が大腸がんの診断を受けたのだ。医師の口から病名を聞いた瞬間、全身が冷たくなる感覚を覚えたが、その時に思い浮かんだのは原口選手の姿であった。彼が病を克服し、グラウンドに立ち続ける姿を見ていたからこそ、私もまた前を向く勇気を持てた。私はただの一ファンに過ぎない。しかし勝手ながら、がんサバイバーの同志として原口選手を応援し続けた。
その後、原口選手は2023年、阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一に貢献された。
一方で私はその年、長年勤めた保険会社を退職し、2024年5月に中小企業診断士事務所を開業した。開業当初は成果が出ず、鳴かず飛ばずの日々が続いたが、今では少しずつ基盤を築きつつある。困難の中で折れずに進んでこられたのは、間違いなく原口選手の姿から勇気をもらったからである。

「生かされている」私が果たすべき使命

原口選手は病を乗り越え、プロ野球選手としての結果を残し、多くの人々に勇気と希望を与えた。私もまた、同じ病を経験した者として、経営者や働く人々に勇気を与えられる中小企業診断士でありたいと強く思う。
病と闘う経営者に寄り添うこと、経営者が安心して経営に専念できる仕組みを構築すること、健康経営の推進により従業員満足を高め成長に繋げること、などやれることはたくさんある。
命があること、”生かされている”ことは、私が果たすべき使命があるということなのであろう。
さて、ここで改めて感謝を伝えたい。
「原口文仁選手、ありがとうございました。まだ33歳とお若いので、これから新たなご活躍の場が増えてくると思います。これからも応援しております。」
そして、今月15日から始まるクライマックスシリーズ・ファイナル、さらには日本シリーズに向けて。
「野球を心から愛し、野球にも愛された選手として、最高の舞台を楽しんでください。」

中小企業診断士 小池俊

中小企業診断士 小池俊

経営コンサルタント/保険業専門成長コーチ

経営コンサルタント/保険業専門成長コーチ
トラリアル中小企業診断士事務所 代表
経済産業大臣登録 中小企業診断士(登録番号426896)
中小企業庁認定 経営革新等支援機関(認定支援機関番号109313005610)
公益財団法人 日本生産性本部 認定経営コンサルタント(認定番号241008)
一般財団法人 日本能力開発推進協会認定 上級心理カウンセラー
株式会社かんき出版 登録研修講師
徳島出身、東京在住
野球好き
阪神タイガースファン

アクサ生命にてCAP(代理店担当社員)MVPを3度受賞。東京海上日動あんしん生命では、東京の支社を日本一に導く。
通算2000社以上の保険代理店を支援し、1000社以上の法人契約営業に同行。
営業エキスパートとして実績を積み、研修講師として経験を重ねる中で、大腸がんを罹患。
闘病を通じて、「人を育て、次世代に残すこと」の重要性と、「がんに罹患した経営者の不安」という課題に向き合う。
「保険で給付金を受け取れても、その後の会社はどうなるのか?」
その問いに向き合うべく、中小企業診断士を志す。 日本生産性本部の養成課程を修了し、2024年5月に独立。
現在は、保険業専門成長コーチ・研修講師として人材育成や組織づくりを支援。また、中小企業の経営支援も積極的に手掛ける。
通算500回以上の研修登壇実績を持つ。

得意分野は営業、研修、マーケティング、事業計画、組織活性化、コーチング、カウンセリング。

志は、企業の発展と働く人の幸せに貢献できる中小企業診断士になること。

関連記事

RELATED POST

この記事へのコメントはありません。

CALENDAR

2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
PAGE TOP
MENU
お問合せ

TEL:090-7915-4807

(月 - 金 9:00 - 18:00)