製造業だけじゃもったいない小集団活動

小集団活動という言葉、お聞きになったことはあるだろうか?
これは歴史が古く、1960年代に日本の製造業における品質管理のサークル(QCサークル)を起源としている。
業務上の問題解決を目的としており、同一職場に所属する少人数のメンバーから構成されるグループによる活動である。
現在は大企業を中心に、製造業以外でも小集団活動は行われており、概ね下記の形態である。
・グループ単位の活動
・生産性向上を目的とする
・チームワーク重視
・情報や気づきの共有がなされる
・発言の心理的安全性が保証される
・メンバーの自主性が重視される
・必ずしも少人数ではない
・部署横断で組成されることもある
・社外の人も参加することがある
・終業時間内での活動が許される
・挙がった意見は経営に伝わる

いわゆる縦に長い(深い)構造だと言われてきた日本企業において、ボトムアップによる改善やイノベーションを生み出す小集団活動は、組織のダイナミズムや柔軟性の確保に貢献してきた。
また、働き方や社員、そして顧客ニーズなど多様化が進む現在の企業社会においても、従業員の自主的な活動は貴重である。
例えば、現場社員のひらめきを思いつきで終わらせずに、改善のアイディアとして活かすことがある。
それまで会社として持っていなかった解決策が、実は現場社員の頭の中では既に生まれていて、それが小集団活動で具現化されることである。
それはとても貴重なことだ。
本社サイドでは出せなかった答えが現場にある。
綺麗な言い方かもしれない。
しかし、答えは現場にあるのにもかからわず、埋もれてしまっていることはないだろうか。
だからこそ小集団活動の果たす役割は大きいのだ。
さて、現在の大企業では労務管理もしっかり行われて、小集団は就業時間内での活動が認められていることが多い。
それでは、小集団活動は大企業だけのものなのだろうか?
確かに中小企業は大企業に比べ、時間や人的余裕が無いかもしれない。
それでも私は中小企業支援において、小集団活動の実施を勧めている。
それは、現場からの改善やイノベーションの創造だけでなく、リーダー育成に向いているからである。
だから経営者には、思い切って小集団のための時間を確保するように伝えている。
もちろん、就業時間内にである。
なかなかそう簡単に導入しないが、やってみると「いいね」と言ってくれる経営者が多い。
しかし、小集団活動の運営は簡単ではない。
むしろ難しい。
これまでやったことのない企業では、ちゃんとした運営は不可能であろう。
なぜなら小集団は、会議でもなくレクレーションでもなく、「真面目に自主的に行う生産性向上のためのグループ活動」だからである。
イメージさえもできないだろう。
そこで私は、小集団活動の運営支援もさせていただいている。
最初のスタートアップから、毎回の運営においてもだ。
大切なのは小集団を生きたものとすることであり、自走できるまで支援させていただいている。
小集団活動を通じて、人が育ち会社が成長していく。
喜ばしいことである。

中小企業診断士 小池俊

中小企業診断士 小池俊

経営コンサルタント/保険業専門成長コーチ

経営コンサルタント/保険業専門成長コーチ
トラリアル中小企業診断士事務所 代表
経済産業大臣登録 中小企業診断士(登録番号426896)
公益財団法人 日本生産性本部 認定経営コンサルタント(認定番号241008)
一般財団法人 日本能力開発推進協会認定 上級心理カウンセラー
株式会社かんき出版 登録研修講師
徳島出身、東京在住
野球好き
阪神タイガースファン

アクサ生命にてCAP(代理店担当社員)MVPを3度受賞。
東京海上日動あんしん生命では、東京の支社を日本一に導く。
通算2000社以上の保険代理店を支援し、1000社以上の法人契約営業に同行。
営業エキスパートとして実績を積み、講師としても活躍する中で、大腸がんを罹患。
闘病を通じて、「人を育て、次世代に残すこと」の重要性と、
「がんに罹患した経営者の不安」という課題に向き合う。
「保険で給付金を受け取れても、その後の会社はどうなるのか?」
その問いに向き合うべく、中小企業診断士を志す。

日本生産性本部の養成課程を修了し、2024年5月に独立。
現在は、保険業専門成長コーチ・研修講師として人材育成や組織づくりを支援する傍ら、中小企業の経営支援にも尽力。
通算500回以上の研修登壇実績を持つ。

得意分野は営業、研修、マーケティング、事業計画、組織活性化、コーチング、カウンセリング。

志は、企業の発展と働く人の幸せに貢献できる中小企業診断士になること。

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